ねこあつめのあいことば「衝突入」
読み方は「つといり」
グーグル日本語入力ではスマホ、PCともに変換できませんでした。
しょうとつ → 衝突
はいる → 入る→(るを削除)入
と入力しました。
目次
衝突入(つといり)の意味とは?
伊勢市に行なわれていた風習で、陰暦七月十六日にかぎり、他人の家の什器・妻・妾・嫁・娘など平素見たいと思っていても見られなかったものを、無断にはいりこんで見てもかまわないとされたもの
いわゆる無礼講…のお祭りではないバージョンみたいな???
覗き見していたものを堂々と見られる日…
「見てみたいなぁ、気になるなぁ」と思いつつも実際に見せて欲しいと願い出たり見に行ったりするのが失礼にあたる対象を見ても許される日です。
秘蔵の品なども見られる日であったとか。
出典先では伊勢市で行われていた、とありますがもともとは伊勢市のみならず各地で行われていた風習のようです。
どんどん廃れていったのですが、伊勢市は江戸時代まで続けられていました。
什器(じゅうき)の意味について
引用の中に見慣れない”什器”という言葉があります。
こちらは、
日常使用する家具・道具・器物の類。什物(じゆうもつ)。什具。
という意味。
日常生活にかかせない日用品や家の中に置かれている家具のことなど。
その家の家宝など秘蔵の品なども含まれます。
なんとなく「みたいなぁ」という昔の人の思いが伝わってきました。
普段は目にできない秘蔵の品
素敵なお家や気になる人の部屋など「見てみたいけど実際に見ることができないもの」って現代の私達にもひとつやふたつありますよね。
出先で見かけた奇抜なデザインの家とか内装はどうなってるんだろうか、とか素敵だなぁと思っている人が日常暮らしている部屋はどうなってるんだろう、とか。
いきなり知り合いでもない人間が押しかけて「中を見せてください」というわけにもいかないし、下手すると通報ものです。
事件ですよおくさんになりかねません。
昔の人は「一日だけそれが自由にできる」という日を作って日頃の望みを叶えることができるようにしたのでしょうか。
>他人の家の什器・妻・妾・嫁・娘
なんとなくモノと妻、妾、嫁、娘が同列にされているのが気になったのですがこれはおそらくです家長制度の中で女は家の長である家長の所有物扱いだったから、かなぁと思います。
いつ頃からはじめったのかはわかりませんでしたが、平安時代では貴族の女性たちは異性と直接、言葉を交わすこともままなりませんでした。
男性の方は気になる女性がいたらとりあえず文通でやりとり、もしくは夜にこっそり突撃しに行く、もちろんどんな容姿をしているかは噂でしかわからないので実はまったく好みじゃなかった、なんてこともザラにあったみたいです。
そんな慣習が下敷きになって、衝突入(つといり)という風習ができたのかなぁ…と考えてみたり。
貴族の女性のあり方と一般で暮らしていた女性の生活の仕方がどのようなものだったか知らないので半ば妄想ですけどね!