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臨床犯罪学者 火村英生の推理第8話「アポロンのナイフ」謎の少年が動き出す!ネタバレ感想

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坂亦少年が朱美ちゃんに大接近の回です。

坂亦君はどうやら既存作品の登場人物だったようですね。

今までの登場は今回の話までの伏線、だったのでしょうか。

 

「アポロンのナイフ」は『菩提樹荘の殺人』に収録されている短編集です。

 

菩提樹荘の殺人 (文春文庫)

菩提樹荘の殺人 (文春文庫)

 

 

こちらは未読。

テーマは「若さ」で学生時代の火村のお話も収録されてるそうな。

 

 

 

 

第八話「アポロンのナイフ」あらすじ

 

 

はじめから、諸星早苗さんのターン。

ターゲットは「火村英生」

 

警察の中に内通者と不穏な雰囲気。

火村英生と諸星早苗は劇薬同士。 

 

SNSで坂亦少年のうわさ話が広がりをみせていた。

(ゲーセンで出会った同級生に

坂亦少年本人が「犯人は自分だ」といったのがきっかけだと思われる)

それはシャングリラ十字軍の若者二人が殺害された事件の

犯人は高校生であるということ。

その犯人として坂亦少年の顔写真がネットで拡散され、

通称「切り裂き王子」「アポロン」と呼びヒーロー扱いされるようになる。

 

 

「犯人は未成年」

 

火村は事件についてそう指摘したものがいることを思い出す。

その人物こそシャングリラ十字軍の指導者・諸星早苗

 

一方アリスは通称「アポロン」と呼ばれる坂亦清音の写真をネットで発見。

大家のおばちゃんは彼にバスの席を譲ってもらったことを思い出した。

 

切り裂き王子「アポロン」は京都にいる

 

事件

雨の日に高校生が連続して刺殺される。

 

被害者

尾木紫苑

座間剣介

 

同じ学校の生徒であり恋人同士。

剣介が亡くなる直前、紫苑にメールを送るが

その時点で紫苑は亡くなっていた。

 

交際中の二人が不幸にも同じ通り魔に殺されたという見方が広まっている。

第一発見者はコンビニ経営者安納。

犬の散歩中に発見される。

 

事件について

・先に殺害されたのは紫苑

・凶器は同じナイフ。

・剣介の首元には致命傷の他に傷がいくつか。

 

監察のおっちゃんをなぐさめる火村さん。

イケメンやわ…

 

 

ネットでは、京都の事件もアポロンの犯行という噂が広まるようになる。

自体は沈静化を見せず全国各地で目撃情報が続出。騒ぎは大きくなる一方。

 

火村の講義生たちもアポロンについて騒ぎ立てるが、

火村さんは激おこヽ(`Д´)ノプンプン

 

アリスと大家のおばちゃんは、アポロンこと坂亦少年を探す。

 

大家のおばちゃん曰く

 

火村が下宿に来た頃と彼はとても似ている。

 

おばちゃんは彼のことを放っておけないみたいです。

一見、好青年でしたしね…

 

アリスも火村が殺意を抱いたのはアポロンと同じ高校生の時かもしれない。

でも、火村は実行しなかった。

アポロンと火村が出会ったらどうなってしまうのだろうかと不安を募らせる。

 

調べていくうちにわかったこと

紫苑は剣介と別れていた

紫苑は剣介からのメールを着信拒否。

 

安納の証言

二人は安納のコンビニによく来ていた。

最近は剣介ひとり。

 

事件の調査をする火村とアリスは剣介の遺体の

第一発見者である安納守之を尋ねる。

火村は彼の暮らしぶりを見て違和感を覚える。

 

男性のひとりぐらしなので、荒れていてもおかしくはないけど…

 

コンビニ店員の証言

・剣介は紫苑について聞かれて

「あんなやつしらん」と吐き捨てた

 

・安納は妻と息子と別居中。

息子が学校でいじめで不登校に。

妻の実家の近くにあるフリースクールに通っている。

 

学校や相手の加害者の保護者と話し合ったが、

相手の「被害者よりも加害者の将来を心配する」態度に怒っている。

そのため少年犯罪の匿名報道について憤りを感じてる。

 

 

貴島朱美は公園で見知らぬ少年に声をかけられる。

エーリッヒ・フロム「悪について」「自由からの逃走」などの

読書の話で意気投合するようになる。

その少年こそ、噂のアポロン「坂亦清音」だった…

 

坂亦少年

人混みにいると自分が特別な存在な気がする。

自分は神様でやつらはゴミ。

 

最初は穏やかな会話をしていたが、

朱美は彼の言動に不穏なものを感じるように。

 

坂亦くんが京都にきたのは「自分が笑えていた時に着た場所にもう一度いけばその時の気持を思い出すことができるかもしれないと思ったから」

と答えてます。

 

鍋島刑事から諸星早苗が逃亡したことを知らされる火村。

一方アリスはコマチ刑事と火村の闇について話し合う。

 

コマチ刑事がアリスに対して

 

火村さんを繋ぎ止められるのは自分しか居ないって

 

 バレてるやんけ。アリスさん気持バレバレやんけ。

火村を引き止められるのは、アリスだけっていうのは

公然の事実なのかな。

 

火村は諸星早苗の言葉を思い出す。

彼女は東京の2つの事件について、

 

あどけない少年の純粋な殺人への興味

きっと少年は答えるだろう。

 

人を殺してみたかった、と。

 

絶叫城殺人事件の

「人を殺したいという動機も何もない空っぽなもの」とは正反対ですよね。

 

 

火村は東京の2つの事件と

京都の事件の違いに気づき、真相にたどり着く。

 

一方、朱美ちゃんは坂亦少年に不信感を抱き、

彼の荷持を探り、ナイフを発見。

それを少年に目撃されてしまう…

主要人物

火村英生(斎藤工

有栖川有栖窪田正孝

鍋島刑事(生瀬勝久

「コマチ」こと小野刑事(優香) 

 

大家のおばちゃん

時絵(夏木マリ)

「朱色の研究」の重要人物。火村の講義生。

貴島朱美(山本美月)

 他

 

事件関係者

坂亦清音(小野寺晃良)

 

第一発見者でありコンビニ経営者

安納守之(泉谷しげる)

 

シャングリラ十字軍関係者

 

指導者

諸星早苗(長谷川京子)

 

鬼塚竜二:竹内涼

城 照史:今野浩喜

大石安奈:二村紗和

 

ネタバレ!

火村は東京の事件の遺体の写真を見て

「恨みもなにも感じない」という。

 

しかし、紫苑に対しては犯人の「憎しみ」

剣介にたいしては「ためらい」を感じるという。

 

ここで刑事二人は「わからない」といわれて

当たり前のように「アリス、お前はわかるよな」っていう火村先生…

 

そんなアリスにもわかりませんよ…

 

 

ここで火村は

東京の2つの事件と京都で起こったこの事件は別の犯人の仕業だと断言

この事件の犯人は「アポロン」ではない。

 

紫苑を殺害したのは、剣之。

おそらく情緒のもつれによるものだと思われる。

剣之はその後に自殺。

ためらい傷はそのために出来た。

(自殺する場合はためらい傷ができる)

 

紫苑の死後送ったメールは彼女に対する謝罪と

今からあの世に一緒にいくからという意味だった。

 

しかし、凶器は現場から発見されていない。

だからこそ警察は殺人事件として捜査した。

 

凶器のナイフを隠したのは第一発見者、安納

 

紫苑の事件を朝刊で知っていた安納は、

コンビニの常連客でもあった二人の間の出来事を察した。

 

凶器を隠したのは、剣之を加害者から被害者にするため。

 

もともと少年法の匿名報道に対して批判的だった彼は、

被害者の少女は顔写真から個人情報まで報道されるのに

加害者が守られることが許せなかった。

 

一度、被害者として報道されてしまえば、

安納が後からナイフを証拠品として持ち込んだとしても

メディアで報道された剣介の情報は消えない。

 

警察からの身体検査を逃れるために、

散歩に連れていた犬の服に隠していたがあえなく発見される。

 

「少年Aなんてどこにもいない」

 

という安納の言葉には考えさせられるものがありますよね…

 

火村は安納の行動は正義でも何でもない逆恨みだと非難する。

 

 

一方、絶体絶命の朱美ちゃんは、ナイフで脅されながらも

坂亦少年の腕を抱きしめ拘束。そのまま警察に通報。

坂亦少年は特に反抗することもない。

 

坂亦はどうして僕があやしいと思ったの?と問うと、

朱美ちゃんは、

あなたに似ている人を知っているから。

人を殺しても平然と笑っていられる人。

笑った顔が同じ

 それって火村先生のことですよね…

大家のおばちゃんと朱美ちゃん、

二人に坂亦少年と火村は似ていると言われています。

 

坂亦少年

アポロン、少年A、全部ボクじゃない。

ボクは「坂亦清音」

誰もボクを捕まえることはできない。

美しい犯罪を犯したままアポロンは捕まる。

そしてこの世から消える。

 

 

おぉ、何を行っているのかよくわからない。

ただ、確かに少年Aなんてこの世にいなくて、

いるのは事件を起こしたひとりの人間なんですよね。

 

少年Aが捕まったと報道されても、

そこに坂亦清音の名前はない。

 

だからある意味では誰にも彼を捕まえることはできない、

という意味…なのでしょうか。

 

 

そしてここで坂亦少年と火村先生の邂逅。

見つめ合う二人。

火村は鍋島刑事に少年と話したいと申し込む。

鍋島刑事は戸惑いながらも了承。

 

この二人は一体どんな会話をするのでしょうか。

 

なんか後味が悪い話ですね。

紫苑の事件は当たり前ですが剣介が犯人だとは報道されません。

ただ被害者としての彼のことは報道されなくなり、

紫苑の事件の犯人は「交際関係にあった加害者少年」に変更。

 

安納さんがやったことは無意味。

ただいたずらに警察を混乱させただけでした。

 

 

事件のまとめ

紫苑を殺害した犯人は剣介

動機はおそらく別れ話のこじれ

剣介は自殺。

 

第一発見者である安納が凶器を隠す。

理由は加害者から被害者にするため

そうすれば少年法は適用されず世間に情報が公開されるから。

 

最後にアリスに伸びるシャングリラ十字軍の魔の手…

不穏な終わり方です。

 

次回予告「地下室の処刑」

アリスが拉致される!?

迫り来るシャングリラの罠。

アリス絶対絶命。

シャングリラ十字軍の目的とは。

火村の中に潜む怪物が目覚める!?

 

坂亦少年との対面。

美しい犯罪などないと怒りを露わにする火村。

束縛されるくぼりす…

 

「地下室の処刑」が収録されているのは『白い兎が逃げる』です。

これまた未読です。

どうやら原作で直接シャングリラ十字軍がかかわってくるのは

「地下室の処刑」だけのようです。(今のところは)

 

白い兎が逃げる (光文社文庫)

白い兎が逃げる (光文社文庫)

 

 

原作「地下室 の処刑」のネタバレ少々

原作で監禁されるのは、シャングリラ十字軍を追っていた刑事。

地下室には組織を裏切った男が一人。

彼はもうじき処刑されるという時に何者かに毒殺されてしまう。

その場にいた構成員たちは言い争い、刑事を置いて逃亡。

監禁された刑事は自力で逃げ出し、警察に通報する。

 

その場にいた構成員は警察に拘束され、

お互いに犯人はあいつだと主張。

 

火村は刑事からの証言だけで

犯人を探しだす…

 

この事件でシャングリラ十字軍はどうにもなりません。

関わっていた幹部もみんな逃げ出してしまいます。

オリジナルキャラクターである諸星早苗も逃げおおせるのでしょう。

 

おそらくですが、監禁されるのが刑事からアリスに変わっただけで

事件の大筋のあらすじは変わっていないと思います。