あらすじ
藤丸と武蔵との剣を交えたあと…
焔を纏う鬼武者は森を駆ける。ただひたすらにすべてを鏖殺するために。燃やし尽くすために。女武者を呼び止めるのは口元を隠した忍びの者。暴走しそうな彼女を諌める彼女に鬼武者は、インフェルノはたおやかに微笑む。
「昔、早駆けをしたことを思い出して…」と表情は穏やかで口調もやさしく。額に生えた日本の角さえなければただのおなごのよう…
インフェルノは忍びと会話の中、足を止めた森で、夜に二人歩きをする老夫婦をみかける。
忍は「運のないことだ」と哀れむが、インフェルノはやさしい表情で「夜歩きは危ないですから」と二人に声をかける。
その姿は先程まで武蔵たちと戦っていた英霊剣豪の姿ではなく、ただ老夫婦を案じるやさしい女性の姿があった。
宿業がきいていないのか!?と驚愕の感情をいだきながら忍はインフェルノを様子を伺う。
家路につく老夫婦の背中を見つめながら、「夫婦は仲睦まじくのが一番ですよね」誰もいないはずの隣を見て「義仲さま…」と呟く。幻想か妄想か。隣には炎に巻かれた男の姿。
その姿を、うつろな瞳で見上げ、忍に告げる
「近くに里があるそうですね」
「鏖殺を、はじめます」
インフェルノの瞳からは血の涙がこぼれ落ちた。
一方的な虐殺を行う彼女の頭の中にはニクイ、キライ、それだけで占められている。
ゲンジを。
トケガワを。
タミクサを。
セカイノスベテヲ
だから、燃やさねばならない。 そしてあなたに会いに行くのだとなきながら空に向かって鬼武者は叫ぶ。
「義仲さま…!」
人であった頃に愛した男の名を。
ネタバレ!→ インフェルノの真名は巴御前
史実でもいろいろアグレッシブなお人という記録が残ってます。。
義仲さま妾として巴御前を愛した人
はっきりとした描写がゲームではまだ出てないのですが、少なくとも巴御前の鬼の血を否定せずあるがままに受け入れ度量の持ち主。
段蔵ちゃんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!!!!
感想 インフェルノにとって世界は憎いものと嫌いなもので出来ている。
宿業を植え付けられた情緒不安定バーサーカーなアーチャーインフェルノちゃんの狂い具合がとてもいいあんばいで描かれていたように思います。
とてもよきかな。
無辜の民を燃やし尽くし殺し尽くし、国一つを滅ぼした存在。
なのに、夜道で出会った老夫婦にはやさしく声をかけ身を案じる。
そのあと、おそらく燃え盛る義仲さまの幻影に話しかけ、一転、血の涙を流し鏖殺をはじめる。
冒頭の、暴走を止められた時の表情や老夫婦への対応、一転、狂気にのまれた言動。
そこに至るまでのやりとりや、動き動作、表情の変化がなんかすごい。
ふんいきに飲まれる。
彼女の狂気を、たしかに画面越しに感じる。
線のひとつひとつからひしひしと肌を震わせてくる。
老夫婦を見送ったとに、義仲さまと口にしたあとのあのなんてもいえない表情が好きです。
悲嘆や諦観や歓喜や愛しさが入り混じった表情がなんともいえない。