ねこあつめのあいことば「御神渡」
読み方は「おみわたり」
グーグル日本語入力アプリでは「おみわたり」で一発変換できました。
”御神渡(おみわたり)”とは湖水などを覆った氷がせり上がり道筋を作る自然現象のことです。
御神渡(おみわたり)の意味
コトバンクには、
冬季の寒冷地で,湖面に一部盛り上がった氷堤が見られる現象。
出典
とありました。
寒い地方にある大きな湖ではまれに見られる現象のようです。
日本では特に長野県の諏訪湖での現象が有名です。
諏訪湖の御神渡(すわこのおみわたり)
諏訪湖の近くに諏訪大社の上社と下社があるのですが、この御神渡りの起こりやすい両端近くに相対するように祀られているので、御神渡は上社におられる男神(建御名方命)が下社(八坂刀売命)におられる女神のもとを訪れた跡だ、という伝説があります。
長崎県の公式ホームページには
「御神渡り」とは、諏訪湖が「全面結氷」し覆った氷が寒暖差により膨張と収縮を繰り返し、せり上がった氷の筋道を見せる自然現象です。
「氷のせり上がり」が確認され、御神渡りの判定と神事をつかさどる「八剱(やつるぎ)神社」の認定を受けて、はじめて正式な≪御神渡り≫となります。出典
とあり、ただの氷がせり上がる現象ではなく「御神渡」が起きたと確定されるには神社の認定が必要なようです。
それだけ神聖視されてきた現象なのでしょう。
御神渡を用いた神事
御神渡は氷の表面がせり上がり、道筋をつくる自然現象でありますが、正式に「御神渡」と認定されるためには八剱神社に認められなければなりません。
また、正式に認定された御神渡を用いた神事においては、せり上がった氷の道筋の方向やせり上がり具合などをみて
その年の豊作や天候、世相などが占われます。
御神渡として走った氷の道筋にもそれぞれ名前があり、はじめに現れた南北方面に走る御神渡を御神渡り「一の御渡り」、次に同じ方向に走ったものを「ニの御渡り」と呼び、この2つに直交するものを「佐久の御渡り」と呼びます。
御神渡が起こる理由
①氷点下10度前後の日が続くと、諏訪湖が全面結氷する。
②この状態が続くと、厳しい夜の冷え込みにより氷が収縮し、表面に亀裂が入る。
③亀裂に湖水が入り込み、薄氷が出来る。
④周囲の氷が昼間の温度上昇により膨張し、圧力で薄氷が破壊され、せり上がる。
⑤これを繰り返し、せり上がりがだんだん大きくなり大音響と共に山脈のような御神渡りができる。出典
近年は、暖冬のせいか湖が全面凍結する日が減ったため御神渡が起こらない年が増えているようです。(そのような年のことを『明けの海』といいます)
御神渡が起きたかどうか、天気や気候を鑑みて諏訪湖が凍結しているようなら毎年神社の人が凍った湖を見回り確認しているようです。